この記事の要点(30秒でわかる)
- 手足の「むくみ」は、マンジャロ(一般名:チルゼパチド)の添付文書に副作用として記載されている症状ではありません
- ただし顔・唇・舌・のどの腫れは別です。アレルギー反応(血管性浮腫)の可能性があり、ただちに中止して受診が必要です
- 手足のむくみは、急な体重変化・水分や塩分のバランス・長時間同じ姿勢などから説明がつくことがあります
- むくむからといって水分を控えるのは逆効果になることがあります
- 心臓・腎臓・甲状腺の病気が背景にある場合もあるため、続くときは検査のできる医療機関へ
「夕方になると足がむくむ」「指輪がきつい」——ご相談をいただくことがあります。ただし、まず切り分けていただきたい「腫れ」があります。そこから先にご説明します。
先に:この腫れは、すぐ受診してください
添付文書には、アナフィラキシーや血管性浮腫を含む重篤な過敏症反応が報告されていると記載されています。
次のような症状が出た場合は、使用を中止して、ただちに医療機関を受診してください。迷った場合は救急外来を選んでください。
- 顔・唇・舌・のどの腫れ
- 息苦しさ、のどが締めつけられる感じ
- 全身のじんましん、強いかゆみ
- めまい、意識が遠のく感じ
これは「むくみ」とは別のものです。時間が経てば治まるだろうと様子を見ないでください。
以下は、上記に当てはまらない手足や顔の一般的なむくみについての説明です。
※参考:PMDA くすり情報「マンジャロ皮下注アテオス」(一般の方向け)
当院の利用者100名のうち、むくみを感じた方は7.0%でした
マンジャロを使用中の当院の利用者100名にうかがったところ、むくみが気になったと回答した方は7名名(7.0%)でした。いっぽうで34名(34.0%)は「特になし」と回答しています。
症状が最も強かった時期としていちばん多かったのは、「増量した直後」で34.8%(23名)でした。次いで「打った直後〜数日」28.8%、「開始1か月以内」18.2%です。増やしたタイミングが山になることが分かります。
現在の状態は、「落ち着いた」42.4%、「軽くなったが続いている」34.8%で、あわせて77.2%が改善の方向と回答しました。一方で「変わらない」16.7%、「強くなった」6.1%の方もいます。
ただし、症状のあった66名のうち43.9%(29名)が「我慢して相談しなかった」と回答しました。
理由で最も多かったのは「大したことないと思った」63.8%。次いで「言いにくかった」29.8%、「相談できると知らなかった」25.5%です。
用量やペースの調整で対応できることがあります。我慢して中断してしまう前に、ご連絡ください。
※当院利用者100名を対象とした自社調査(回答100名/調査時期:2026年8月)。回答は自己申告によるもので、症状の原因を特定するものではありません。感じ方には個人差があります。
添付文書に「むくみ」の記載はありません
マンジャロの副作用として挙げられている症状の一覧に、手足のむくみ(末梢性浮腫)という項目はありません。最も多いのは吐き気・下痢・食欲減退・嘔吐・便秘・消化不良・腹痛といった消化器症状です。
したがって「マンジャロでむくみます」という説明は正確ではありません。一方で、体に起きている変化から説明がつく場合はあります。
説明がつく経路
| 経路 | 何が起きているか |
|---|---|
| 体重が大きく動いている | 減量の過程では体内の水分の配分が変わることがあります |
| 塩分と水分のバランス | 食事の内容が偏ると、水分の保持のされ方が変わります |
| たんぱく質の不足 | 食事量が減ると不足しやすく、水分が血管の外に出やすくなります |
| 長時間同じ姿勢 | デスクワークや立ち仕事。夕方に強くなるのが特徴です |
| 薬とは別の原因 | 心臓・腎臓・甲状腺の病気、月経周期、ほかの薬の影響など |
いずれも「薬が直接むくませる」のではありません。夕方だけ・片側だけ・朝は治まるといったパターンは、姿勢や生活によるものが多いとされています。
※参考:MOUNJARO 米国添付文書(DailyMed, U.S. National Library of Medicine)
水分を控えるのは逆効果になることがあります
むくむからと水を減らす方がいますが、おすすめできません。
マンジャロの使用中は、食事量が減ることで水分も一緒に減りがちです。添付文書にも、吐き気・嘔吐・下痢から脱水に至り、腎臓に影響が及んだ例が報告されていると記載されています。むくみを気にして水分を減らすと、その方向に近づきます。
減らすとすれば水ではなく塩分です。
今日からできること
たんぱく質を確保する
食事量が落ちている時期は不足しやすい栄養です。少量でも確保する食べ方はマンジャロ中の食事でご説明しています。
塩分の摂り方を見直す
食事量が減ると、食べやすいもの(麺類・加工食品・インスタント)に偏りやすく、量のわりに塩分が多くなることがあります。汁を残すだけでも変わります。
同じ姿勢を続けない
1時間に一度立ち上がる、足首を回す、就寝時に足を少し高くする。地味ですが、姿勢が原因の場合はこれが最も効きます。
水分は減らさない
のどが渇く前に、少量をこまめに。一度にたくさん飲むと胃の症状が出やすい方もいます。
受診の目安
- 顔・唇・舌・のどの腫れ、息苦しさ → ただちに中止して受診(上記のとおり)
- 片足だけが急に腫れて痛い、熱をもっている → 早めに受診してください
- 息切れがする、横になると苦しい
- 尿の量が明らかに減っている
- 朝になっても引かないむくみが続いている
- 急に体重が増えた(水分の貯留が疑われます)
当院はオンライン診療のため、むくみを直接触って確認したり、血液検査・尿検査を行うことができません。心臓・腎臓・甲状腺の評価が必要と考えられる場合は、検査のできる医療機関の受診をおすすめします。
よくあるご質問
マンジャロの副作用にむくみはありますか?
手足のむくみは副作用の一覧に記載されていません。ただしアレルギー反応としての腫れ(血管性浮腫)は報告されており、こちらは緊急の対応が必要です。両者は分けて考えてください。
むくむので水分を控えています
おすすめできません。使用中は食事量とともに水分も減りやすく、脱水は腎臓への影響につながることがあります。控えるなら水ではなく塩分をご検討ください。
やめればむくみは治まりますか?
原因によります。姿勢や塩分が関係している場合は、中止しても変わりません。自己判断で中断せず、まずは原因の切り分けをご相談ください。
利尿作用のあるお茶やサプリを飲んでもいいですか?
自己判断での使用はおすすめしません。脱水を進める方向に働くことがあります。他の薬との組み合わせで問題が起きる場合もあるため、検討される際はご相談ください。
生理前だけむくみます
月経周期に伴う変化として、もともと起こりうるものです。マンジャロを始めた時期と重なっただけということも考えられます。周期そのものの変化については女性の体のページをご覧ください。
診察では何を伝えればよいですか?
いつから、どの部位が、朝と夕方で違うか、片側だけか両側か、体重の急な変化、息切れの有無、他に飲んでいる薬をお伝えください。切り分けの材料になります。
ご検討の前に必ずお読みください
- マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
- 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
- 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
- 本ページの内容は一般的な考え方をご説明するものです。むくみには心臓・腎臓・甲状腺の病気など他の原因があり、当院のオンライン診療では触診・血液検査・尿検査ができません。症状が続く場合は検査のできる医療機関を受診してください。
- 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆のう関連症状・重篤な過敏症などの重大な副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
- 症状の出方には個人差があり、結果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
- 諸外国では、体重管理を目的とした同成分(チルゼパチド)の医薬品が承認されています。
- オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。
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判断に迷ったら、ご連絡ください
むくみは、様子を見てよいものと、急ぐものが混ざっています。迷われたときにご連絡いただければ、どちらなのかの整理からお手伝いできます。無理な勧誘はいたしません。

