この記事の要点(30秒でわかる)
- オンライン診療と個人輸入はまったく別のものです。前者は医師の診察を経た処方、後者は自己責任での購入です
- 個人輸入した医薬品は品質が保証されず、偽造品の報告もあります。国からも注意喚起が出ています
- 個人輸入で健康被害が起きても、国の救済制度の対象になりません
- オンライン診療は厚生労働省の指針にもとづいて行われる正規の医療行為です
- ただしオンラインには限界もあります。触診や採血ができないため、対面が必要と判断することもあります
「ネットで薬を買うのは危ないと聞いた」「オンライン診療も同じようなものではないか」——このご不安は、とても真っ当なものです。実際、危険な入手方法は存在します。このページでは、オンライン診療と個人輸入が何がどう違うのか、そしてオンライン診療にも限界があることを、はっきりご説明します。
結論|「オンライン診療」と「個人輸入」は別物です
違いを7つの項目で並べました。

| 項目 | オンライン診療 | 個人輸入・海外通販 |
|---|---|---|
| 医師の診察 | 必須 | なし |
| 既往歴・併用薬の確認 | 行う | 行われない |
| 薬の出どころ | 国内の正規流通品 | 不明なことが多い |
| 品質の保証 | あり | なし。偽造品の報告あり |
| 副作用が出たときの相談先 | 処方した医療機関 | 自己責任 |
| 国の健康被害救済制度 | 制度あり(要件あり) | 対象外 |
| 法的な位置づけ | 正規の医療行為 | 自己使用に限り例外的に認められる購入 |
いちばん大きな違いは、あいだに医師が入るかどうかです。医師が入ることで、既往歴の確認、使用できるかどうかの判断、副作用が出たときの相談先の確保という3つが担保されます。
※参考:PMDA くすり情報「マンジャロ皮下注アテオス」(一般の方向け)
個人輸入で何が起きているか
偽造品の流通
GLP-1受容体作動薬をめぐっては、正規品を装った偽造品が海外で確認されており、各国の規制当局から注意喚起が出されています。有効成分が入っていない、量が違う、まったく別の物質が入っている、といったものです。
問題は、見た目では判別できないことです。パッケージが精巧に作られている例も報告されています。
温度管理の問題
マンジャロは2〜8℃での冷蔵保管が必要な薬です。海外から個人向けに発送される場合、輸送中の温度が管理されているとは限りません。凍結や高温にさらされた製剤は、見た目が正常でも性質が変わっている可能性があります。
健康被害が起きたとき
日本には、医薬品を適正に使用したにもかかわらず健康被害が生じた場合に給付を受けられる医薬品副作用被害救済制度があります。
個人輸入した医薬品による健康被害は、この制度の対象になりません。入院が必要になるような事態が起きても、費用も含めてすべて自己責任となります。
なお、医療機関で処方を受けた場合でも、承認された効能・効果以外での使用(適応外使用)は、救済制度の対象とならない場合があります。マンジャロを体重管理目的で使用する場合はこれに該当しますので、この点はご理解のうえでご検討ください。
最後の点は当院にとって不利な情報ですが、事実ですのでお伝えしています。ご自身が何を選ぼうとしているかを正確に知ったうえで判断していただきたいと考えています。
オンライン診療は正規の医療行為です
オンライン診療は、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」にもとづいて行われる医療行為です。医師法上の診察にあたり、通信の手段が対面ではないという違いがあるだけです。
当院での流れは次のとおりです。
- 問診/既往歴・服用中の薬・アレルギー・妊娠の有無などを確認します
- 医師の診察/使用できるかどうかを判断します。処方できないとお伝えすることもあります
- ご案内とお支払い/費用とリスクをご説明し、ご納得のうえで進みます
- 提携薬局から発送/薬剤師が調剤し、温度管理のうえクール便でお届けします
- 経過のフォロー/体調の変化を確認し、継続や用量を相談します
お薬が届くまで|提携薬局での実際の流れ
当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けしています。実際にどのように扱われているのかを、薬局での作業の様子とあわせてご説明します。個人輸入では、この工程のいずれも確認できません。






写真は提携薬局での作業の様子です。お届け先の氏名は撮影用のものに差し替えています。外装は中身が分からない梱包でお送りします。
オンライン診療の限界
安全性の話をする以上、できないことも明確にしておく必要があります。
| できること | できないこと |
|---|---|
| 問診による既往歴・併用薬の確認 | 触診・聴診などの身体診察 |
| 使用の適否の判断 | 採血・画像検査 |
| リスクと注意点の説明 | その場での緊急対応 |
| 処方と経過の確認 | 視覚で確認できない所見の把握 |
そのため当院では、対面での評価が必要と判断した場合、処方せずに受診をおすすめすることがあります。また、急な激しい腹痛など緊急性の高い症状が出た場合は、当院への連絡を待たずにお近くの医療機関を受診していただくようご案内しています。
受診先を選ぶときに確認したい5つのこと
申し込む前に、この5点でサイトの記載を見比べてみてください。

特定の医療機関を評価するものではありませんが、一般的に確認しておくとよい項目です。
- 医師の診察が必ずあるか/問診票だけで薬が届く仕組みになっていないか
- 適応外使用であることが明記されているか/自由診療・保険適用外であることも含めて
- 副作用とリスクが具体的に書かれているか/良いことだけが書かれていないか
- 費用の総額が分かるか/診察料・送料を含めていくらになるか
- 処方後に相談できる窓口があるか/薬が届いて終わりになっていないか
とくに「処方できない場合がある」と書かれているかどうかは、ひとつの目安になります。医師が診察している以上、断るケースが存在するのが自然だからです。
よくあるご質問
オンライン診療は通販とは違うのですか?
まったく違います。オンライン診療は医師の診察を経た医療行為で、既往歴や併用薬を確認したうえで使用の適否を判断します。診察の結果、処方できないとお伝えすることもあります。商品を選んで購入する通販とは仕組みが異なります。
個人輸入のほうが安く手に入るようですが。
価格だけを比べればそう見えることがあります。ただし品質が保証されず、偽造品や温度管理の問題が指摘されています。健康被害が起きても国の救済制度の対象外で、相談できる医師もいません。金額以外の部分を含めてご判断ください。
診察は何分くらいかかりますか?
問診の内容によって変わりますが、事前の問診にご回答いただいたうえで、確認と説明を行います。疑問がある場合は納得いただけるまでお聞きください。急かすことはありません。
薬はどこから届きますか?
提携薬局で薬剤師が調剤し、温度管理のうえクール便でご自宅へお届けします。当院で使用するのは国内の正規流通品です。
副作用が出たとき、オンラインでも相談できますか?
はい、処方後もご相談いただけます。ただし、激しい腹痛・止まらない嘔吐・息苦しさなど緊急性の高い症状が出た場合は、当院への連絡を待たず、お近くの医療機関または救急外来を受診してください。オンラインではその場での処置ができないためです。
ご検討の前に必ずお読みください
- マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
- 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
- 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
- 適応外使用は、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。
- 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆のう関連症状などの重大な副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
- オンライン診療では、触診・聴診・採血・画像検査などは行えません。対面での評価が必要と判断した場合は、受診をおすすめすることがあります。
- 効果・副作用の出方には個人差があり、結果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
- 諸外国では、体重管理を目的とした同成分(チルゼパチド)の医薬品が承認されています。
- オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。
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不安な点は、診察の前にお聞きください
当院は診察料0円、事前のご相談も0円です。仕組みや安全性について確認するだけでもご利用いただけます。ご納得いただけない場合は、始めないという選択も含めてお考えください。無理な勧誘はいたしません。
参考文献
- 厚生労働省「医療」(オンライン診療の適切な実施に関する指針を含む)
- 厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度」
- マンジャロ皮下注アテオス 添付文書(日本イーライリリー株式会社)/PMDA くすり情報(マンジャロ皮下注アテオス 全6規格・一般の方向け)

