マンジャロを使用できない方・注意が必要な方|BMIの目安も医師監修で解説

マンジャロを使用できない方の条件とBMIの目安を解説する記事のアイキャッチ

この記事の要点(30秒でわかる)

  • 妊娠中・授乳中・妊娠を計画している方は使用できません
  • 膵炎の既往甲状腺髄様がん・多発性内分泌腫瘍症2型の既往や家族歴がある方も使用できません
  • 1型糖尿病の方、重い胃腸の病気がある方も対象外です
  • BMIに明確な線引きはありませんが、BMI22前後の標準体重の方は対象になりにくいとお考えください
  • 問診で既往歴を正確に書くことが、最も重要な安全対策です。診察の結果、処方できないとお伝えすることもあります

「自分は対象になるのだろうか」「持病があるけれど使えるのか」——マンジャロ(一般名:チルゼパチド)を検討される前に、多くの方が確認したい点です。このページでは、使用できない方・注意が必要な方の条件と、体重の目安についての考え方を整理します。

あらかじめお伝えしておくと、当院ではご希望をいただいても処方できないとお答えすることがあります。安全に使えるかどうかを優先しているためです。

使用できない方

全体像を先にお示しします。左が使用できない方、右が注意が必要な方です。

マンジャロを使用できないのは、妊娠中・授乳中・妊娠を計画している方、膵炎の既往、甲状腺髄様がんや多発性内分泌腫瘍症2型の既往や家族歴、1型糖尿病、成分に過敏症の既往、糖尿病性ケトアシドーシス、重い感染症や手術予定など状態が安定していない方。注意が必要なのは他の血糖を下げる薬を使用中、胃腸や胆のうの病気、腎機能や肝機能の低下、摂食障害の既往、高齢の方、糖尿病網膜症がある方。
使用できない方・注意が必要な方
  • 妊娠中の方、授乳中の方、妊娠を計画している方
  • 膵炎の既往がある方
  • 甲状腺髄様がんの既往・家族歴がある方
  • 多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の既往・家族歴がある方
  • 1型糖尿病の方
  • この薬の成分に過敏症(アレルギー)の既往がある方
  • 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡など、緊急の対応が必要な状態の方
  • 重い感染症がある方、手術の予定がある方など、状態が安定していない方

甲状腺の病歴が問われる理由

意外に思われるかもしれませんが、これは重要な確認項目です。動物実験(げっ歯類)において甲状腺C細胞腫瘍の発生が認められたという報告があり、米国の添付文書にも警告として記載されています。ヒトで同じことが起こるかは確立されていませんが、念のため、該当する既往歴・家族歴がある方には使用しない取り扱いとなっています。

ご家族の病歴まで含めて確認する必要があるため、問診の際は分かる範囲で正確にご記入ください。

妊娠・授乳について

胎児や乳児への安全性が確立されていないため、妊娠中・授乳中の方は使用できません。妊娠を計画されている方も同様です。使用中に妊娠が分かった場合は、使用を中止して速やかにご相談ください。

※参考:PMDA くすり情報「マンジャロ皮下注アテオス」(一般の方向け)

注意が必要な方(慎重に判断します)

慎重な判断が必要となる主な状態
状態理由
他の血糖を下げる薬を使用中低血糖が起こりやすくなります
胃腸の病気がある消化器症状が強く出るおそれがあります
胆のうの病気がある胆のう関連の症状の報告があります
腎機能・肝機能の低下状態によって判断が変わります
摂食障害の既往食欲への影響が想定されるため慎重な判断が必要です
高齢の方脱水や体重減少の影響を受けやすいことがあります
糖尿病網膜症がある状態の変化に注意が必要です

これらに当てはまる場合でも、必ず使用できないというわけではありません。状態を確認したうえで、医師が判断します。

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BMI(体格指数)の考え方

「BMIがいくつ以上なら対象になりますか」というご質問をよくいただきます。結論から言うと、体重管理を目的とした自由診療において、一律の数値基準は定められていません。ただし、考え方の参考になる目安はあります。

BMIの計算方法

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

たとえば身長160cm・体重65kgの方なら、65 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 約25.4 となります。

日本肥満学会によるBMIの区分
BMI区分
18.5未満低体重
18.5〜25未満普通体重
25〜30未満肥満(1度)
30〜35未満肥満(2度)
35〜40未満肥満(3度)
40以上肥満(4度)

臨床試験ではどう設定されていたか

日本人を含むアジアの参加者を対象としたSURMOUNT-J試験では、参加の条件が次のように設定されていました。

  • BMI27以上かつ、肥満に関連する健康障害が2つ以上ある方
  • またはBMI35以上かつ、健康障害が1つ以上ある方
  • 糖尿病のある方は対象から除外されていました

これは臨床試験の参加条件であって、診療における基準ではありません。ただし、「体重の数字だけでなく、健康障害があるかどうかを併せて見る」という考え方は参考になります。

標準体重の方について

BMIが22前後の標準的な体格の方や、それを下回る方は、薬を使う医学的な必要性が乏しい一方で、副作用のリスクだけを負うことになります。この場合、処方をお断りすることがあります。

「もう少し痩せたい」というお気持ちは自然なものですが、医療として薬を使う以上、得られるものとリスクの釣り合いが取れているかが判断の基準になります。ご希望に沿えない場合は、その理由をご説明します。

問診で正確に伝えていただきたいこと

  • これまでにかかった病気(とくに膵臓・胆のう・甲状腺・胃腸)
  • ご家族の病歴(甲状腺の病気、内分泌の腫瘍)
  • 現在飲んでいる薬・サプリメント(すべて。市販薬も含みます)
  • アレルギー
  • 妊娠の可能性・授乳の有無・妊娠のご予定
  • 身長・体重・健康診断で指摘された項目
  • これまでのダイエットの経過、摂食障害の既往

「書くと断られるかもしれない」と考えて省略されると、安全性の判断ができなくなります。断られる可能性があることよりも、合わない薬を使ってしまうことのほうが重大です。正確にお伝えください。

よくあるご質問

BMIがいくつから対象になりますか?

自由診療における一律の数値基準はありません。体重の数字だけでなく、健康診断で指摘された項目、これまでの経過、既往歴などを併せて医師が判断します。標準体重の範囲内の方は、対象になりにくいとお考えください。

持病がありますが、使えますか?

病気の種類と状態によります。膵炎の既往、甲状腺髄様がんやMEN2の既往・家族歴がある場合は使用できません。それ以外の持病については、内容と現在の状態を確認したうえで判断します。診察でお聞かせください。

他の薬を飲んでいますが、併用できますか?

とくに血糖を下げる薬との併用は低血糖のリスクがあるため、慎重な判断が必要です。また、胃の動きに影響することから、他の飲み薬の吸収に関わる可能性もあります。服用中のものはすべてお知らせください。

年齢の制限はありますか?

未成年の方への処方は行っておりません。高齢の方については、脱水や体重減少の影響を受けやすいことから、より慎重に判断します。

断られた場合、費用はかかりますか?

当院は診察料0円、事前のご相談も0円です。処方に至らなかった場合にお薬の費用が発生することはありません。安心してご相談ください。

使っている途中で妊娠が分かりました。

使用を中止し、速やかに当院または産科の医療機関にご相談ください。自己判断で続けないでください。

ご検討の前に必ずお読みください

  • マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
  • 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
  • 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
  • 本ページに記載した条件は一般的な考え方です。使用の可否は、診察のうえ医師が個別に判断します。
  • 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆のう関連症状などの重大な副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
  • 効果・副作用の出方には個人差があり、結果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
  • 本記事で紹介した臨床試験は対象者の条件が限られており、結果がそのまますべての方に当てはまるものではありません。
  • 諸外国では、体重管理を目的とした同成分(チルゼパチド)の医薬品が承認されています。
  • オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。

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対象になるかどうか、まず確認しませんか

当院は診察料0円、事前のご相談も0円です。ご自身が対象になるかを確認するだけでもご利用いただけます。処方できない場合はその理由をご説明します。無理な勧誘はいたしません。選択肢の一つとしてご検討ください。

参考文献

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