この記事の要点(30秒でわかる)
- マンジャロ(一般名:チルゼパチド)の用法は週1回です。2週間おきという使い方は定められていません
- チルゼパチドが体から抜けるまでの目安(半減期)はおよそ5日。週1回はこれを前提にした間隔です
- 安定した状態になるのは、週1回を4週間ほど続けたあととされています
- 間隔を空けると、せっかく落ち着いた吐き気が、再開時に戻ることがあります
- 費用が理由なら、間隔ではなく別の方法をご相談ください。調整のしかたはあります
「毎週だと続けるのが大変」「1回とばせば長くもつのでは」——そう考えて、ご自身で間隔を空ける方がいらっしゃいます。お気持ちは理解できますが、おすすめできる方法ではありません。理由をご説明します。
結論:用法は週1回です
マンジャロの添付文書に記載されている用法は「週1回」です。2週間おき、10日おきといった使い方は、用法として定められていません。
これは「やってはいけない」という以前に、その使い方でどうなるかが調べられていないということです。臨床試験は週1回で行われており、間隔を空けた場合の結果は評価されていません。
※参考:PMDA くすり情報「マンジャロ皮下注アテオス」(一般の方向け)
なぜ「週1回」なのか
チルゼパチドは、体から抜けるまでの目安(半減期)がおよそ5日とされています。週1回という間隔は、この長さに合わせて設計されたものです。
また、血中の量が安定するのは、週1回を4週間ほど続けたあととされています。つまり、毎週きちんと続けてはじめて、想定された状態になるということです。
そこで2週間空けると、次を打つ頃には体内の量がかなり少なくなっていることになります。「毎回、振り出しに近いところから始め直す」というイメージに近い状態です。
※参考:MOUNJARO 米国添付文書(DailyMed, U.S. National Library of Medicine)
間隔を空けると起こりうること
下の図のとおり、間隔を空けると次のようなことが起こりえます。

| 起こりうること | 理由 |
|---|---|
| 食欲の戻りを感じやすい | 次の投与までに体内の量が少なくなるため |
| 体重の動きが安定しない | 効いている期間と、そうでない期間の差が出やすい |
| 吐き気がぶり返す | 体が慣れた状態がいったん戻ってしまうため |
| 増量の判断がしにくい | 週1回を前提とした評価ができなくなる |
いずれも必ず起こるわけではなく、感じ方には個人差があります。ただ、いずれも「節約したつもりが、かえって遠回りになる」形になりやすい点は共通しています。
見落とされがちなのは「慣れ」が戻ること
ここが、実際にいちばん困る点かもしれません。
吐き気などの消化器症状は、続けるうちに体が慣れて落ち着いてくることが多いとされています。ところが間隔を大きく空けると、この慣れが戻ってしまい、再開したときにまた症状が出やすくなることがあります。
せっかく楽になってきたところで、また最初のつらさに戻ってしまう。これは費用の節約分に見合わないことが多く、結果的に続けられなくなる原因にもなります。
費用が理由の場合こそ、ご相談ください
間隔を空ける方の多くは、費用が理由です。言いにくいことかもしれませんが、それは黙って調整するより、お伝えいただいたほうがよい内容です。
ご相談いただければ、たとえば次のような考え方をご一緒に検討できます。
- 今の用量が、ご自身にとって必要な量かどうかを見直す
- 増量を急がず、今の量で続けることを選ぶ
- いったん区切りをつけ、時期を改めて再開する
- そもそも続けるべき時期かどうかを、あらためて話し合う
いずれも、自己判断で間隔を空けるより安全で、見通しが立てやすい方法です。中断そのものが悪いわけではありません。計画して止めるのと、なんとなく空けるのとでは、まったく違います。
曜日を変えたいときは
「毎週この曜日は都合が悪い」という場合、曜日そのものは変更できます。ただし条件があります。
前回の投与から、少なくとも3日(72時間)あけてください。これを満たしていれば、次回から新しい曜日に移して問題ないとされています。
間隔を「空ける」のではなく「ずらす」だけであれば、この範囲で調整できます。迷われた場合はご連絡ください。
打ち忘れてしまったときは
うっかり忘れた場合は、4日(96時間)以内であれば、気づいた時点で打つとされています。4日を過ぎている場合はその回は飛ばし、次の予定日に通常どおり打ちます。
2回分をまとめて打つことは絶対に避けてください。副作用が強く出るおそれがあります。
自己判断での調整をおすすめしない理由
マンジャロは、体重管理を目的とする場合適応外使用にあたります。もともと承認された使い方から外れているぶん、用法まで独自に変えてしまうと、何を根拠に判断すればよいかが分からなくなります。
効果が出ないときに、量の問題なのか、間隔の問題なのか、生活習慣の問題なのかを切り分けられなくなる、という実際的な不都合もあります。詳しくはマンジャロで痩せないときでご説明しています。
よくあるご質問
2週間おきにしても効果はありますか?
その使い方は評価されていないため、どうなるかをお答えできません。用法は週1回です。間隔を空けたいご事情がある場合は、自己判断ではなく診察でご相談ください。
1回とばせば、そのぶん長く使えますか?
本数のもちは長くなりますが、体内の量が下がる期間ができるため、想定された使い方とは別のものになります。吐き気の慣れが戻り、再開時につらくなることもあります。費用のご事情は遠慮なくお知らせください。
旅行や出張で打てない週があります
前回から3日(72時間)以上あいていれば、曜日を前後にずらして調整できます。持ち運びや保管の方法もご案内できますので、日程が分かった時点でご相談ください。
体調が悪い週は休んでもいいですか?
体調がすぐれないときに、続けるかどうかの判断が必要な場合があります。ご自身で決めずに、まずご連絡ください。状況によっては、お休みしていただくようお伝えすることもあります。
間隔を空けていたことを、正直に言っても大丈夫ですか?
もちろんです。叱るためにお聞きするのではなく、今の状態を正しく判断するために必要な情報です。実際の打ち方をそのままお伝えください。
週1回を続けられる自信がありません
続けられるかどうかも含めて、開始前にご相談いただける内容です。無理に始めるより、生活に合うかを先に確認しておくほうが結果的に負担が少なくなります。
ご検討の前に必ずお読みください
- マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
- 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
- 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
- 本ページの内容は一般的な考え方をご説明するものです。用法・用量の変更は、必ず医師にご相談ください。自己判断での調整は行わないでください。
- 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆のう関連症状などの重大な副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
- 効果・副作用の出方には個人差があり、結果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
- 諸外国では、体重管理を目的とした同成分(チルゼパチド)の医薬品が承認されています。
- オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。
あわせて読みたい
続け方に迷ったら、変える前にご相談ください
間隔を空けたくなる背景には、費用・つらさ・生活の都合など、それぞれのご事情があります。伝えていただければ、打ち方以外で調整できることは少なくありません。まずはお聞かせください。無理な勧誘はいたしません。
参考文献
- マンジャロ皮下注アテオス 添付文書(日本イーライリリー株式会社)/PMDA くすり情報(マンジャロ皮下注アテオス 全6規格・一般の方向け)
- MOUNJARO (tirzepatide) injection — 米国添付文書(DailyMed, U.S. National Library of Medicine)
- Jastreboff AM, Aronne LJ, Ahmad NN, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity (SURMOUNT-1). N Engl J Med. 2022;387(3):205-216.(PubMed)

