この記事の要点(30秒でわかる)
- 生理が遅れているときは、まず妊娠の可能性をご確認ください。これが最初です
- 「生理が遅れる/こない」は、マンジャロ(一般名:チルゼパチド)の添付文書に副作用として記載されている症状ではありません
- ただし体重が大きく変わること自体が、月経周期に影響しうることが知られています
- 減量にともなって周期が整い、排卵が戻るという報告もあります。つまり妊娠しやすくなる場合があります
- 3か月以上来ていない・不正出血が続くときは、産婦人科を受診してください
「始めてから生理が遅れている」というご相談は少なくありません。ここでは、確認する順番と、分かっていることを整理します。
最初に確認していただきたいこと
妊娠の可能性がないか、先にご確認ください。
マンジャロは妊娠中に使用できる薬ではありません。動物実験で胎児への影響が示されており、ヒトでのデータは十分ではないためです。
可能性がある場合は使用を中止して、ご連絡ください。そのうえで産婦人科をご受診ください。
順番を逆にしないでください。「薬のせいだろう」と考えて確認が遅れるのが、いちばん避けたい形です。
当院の利用者100名のうち、月経の変化を感じた方は8.0%でした
マンジャロを使用中の当院の利用者100名にうかがったところ、月経の変化が気になったと回答した方は8名名(8.0%)でした。いっぽうで34名(34.0%)は「特になし」と回答しています。
症状が最も強かった時期としていちばん多かったのは、「増量した直後」で34.8%(23名)でした。次いで「打った直後〜数日」28.8%、「開始1か月以内」18.2%です。増やしたタイミングが山になることが分かります。
現在の状態は、「落ち着いた」42.4%、「軽くなったが続いている」34.8%で、あわせて77.2%が改善の方向と回答しました。一方で「変わらない」16.7%、「強くなった」6.1%の方もいます。
ただし、症状のあった66名のうち43.9%(29名)が「我慢して相談しなかった」と回答しました。
理由で最も多かったのは「大したことないと思った」63.8%。次いで「言いにくかった」29.8%、「相談できると知らなかった」25.5%です。
用量やペースの調整で対応できることがあります。我慢して中断してしまう前に、ご連絡ください。
※当院利用者100名を対象とした自社調査(回答100名/調査時期:2026年8月)。回答は自己申告によるもので、症状の原因を特定するものではありません。感じ方には個人差があります。
添付文書に「月経の変化」の記載はありません
マンジャロの副作用として挙げられている一覧に、月経不順・無月経・不正出血といった項目はありません。また、チルゼパチドと月経の関係を直接調べた研究も、現時点では見当たりません。
ですので「マンジャロで生理が遅れます」という説明は正確ではありません。ただし、体重が大きく動くこと自体は、月経周期に影響しうることが知られています。
むしろ「整う」報告があります
ここは意外に思われるかもしれません。
月経不順や無排卵のある方を対象とした研究で、GLP-1系の薬による減量にともなって、周期の規則性や排卵が改善したという報告が出ています。
| 治療前 | 6か月後 | |
|---|---|---|
| 体重 | — | 平均 −11.3% |
| 稀発月経・無排卵 | 83% | — |
| 排卵周期が確認された方 | — | 52.5% |
この研究はセマグルチドを用いたもので、チルゼパチド(マンジャロ)で同じ結果が確認されたわけではありません。また当院の診療は、月経不順や不妊の治療を目的とするものではありません。
※参考:Carmina E, Longo RA. J Clin Med. 2026;15(13):5165.
だから、避妊は続けてください
上の報告が意味するのは、これまで妊娠しにくかった方が、以前より妊娠しやすい状態になる可能性があるということです。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のある方を対象とした報告では、月経の規則性・排卵・妊娠率の改善が示されています。
マンジャロは妊娠中に使える薬ではありませんので、使用中は確実な避妊を続けていただく必要があります。「妊娠しにくいから大丈夫」という前提の方こそ、ご注意ください。
飲むタイプのピルを使っている方は、別の注意もあります。開始から4週間、および増量のたびに4週間は、飲まないタイプの避妊法かバリア法の併用が案内されています。詳しくはマンジャロとピルの併用をご覧ください。
※参考:MOUNJARO 米国添付文書(DailyMed, U.S. National Library of Medicine)
遅れているときの切り分け
| 状況 | 考えられること |
|---|---|
| 妊娠の可能性がある | まず検査を。使用は中止してご連絡ください |
| 体重が短期間で大きく減った | 体の変化に反応している可能性があります |
| 食事量が極端に減っている | エネルギー不足は周期に影響しうる要因です |
| もともと不順だった | 薬を始めた時期と重なっただけのことがあります |
| 不正出血をともなう | 婦人科的な評価が必要です。産婦人科へ |
| 3か月以上来ていない | 期間を問わず、産婦人科をご受診ください |
あくまで見当をつけるための整理で、これで診断ができるものではありません。
できること
減らすペースを見直す
短期間で大きく減っている場合は、ペースを緩めることを相談できます。用量を上げない、いまの量で続けるという選択もあります。
食べなさすぎていないか確認する
食欲が落ちると、想像以上に減っていることがあります。少量でも栄養を確保する方法はマンジャロ中の食事をご覧ください。
記録をつけておく
最終月経の日、周期の長さ、体重の変化。産婦人科を受診するとき、この3つがあると話が早くなります。
産婦人科を受診していただきたい場合
- 妊娠の可能性がある
- 3か月以上、月経が来ていない
- 不正出血が続いている
- 出血量が明らかに増えた、強い痛みをともなう
- 妊活の計画について相談したい
- 避妊法の変更を検討している
当院はオンライン診療のため、内診・超音波検査・血液検査ができません。婦人科的な評価はお受けいただけないため、上記の場合は産婦人科をご受診ください。当院でお答えできるのは、マンジャロ側の注意点までです。
よくあるご質問
生理が遅れているのは薬のせいですか?
副作用としての記載はありません。体重の大きな変化に体が反応している可能性はありますが、他の原因も考えられます。まず妊娠の可能性をご確認ください。
やめれば戻りますか?
原因によります。急激な減量や食事量の不足が関係している場合は、そちらが落ち着けば変化することがあります。ただし婦人科の疾患が背景にある場合は、中止しても変わりません。自己判断で中断せず、まずご相談ください。
生理不順の改善を目的に使えますか?
当院ではそのような目的での処方はしておりません。ご紹介した報告は他の成分を用いた研究であり、治療として確立したものではありません。月経不順の治療は産婦人科にご相談ください。
生理中でも打って大丈夫ですか?
月経の時期によって投与を止める必要はありません。ただし体調がすぐれない場合は無理をせず、判断に迷うときはご連絡ください。
不正出血があります
当院では評価ができません。産婦人科をご受診ください。原因は複数考えられ、内診や超音波での確認が必要になることがあります。受診の際は、マンジャロを使用中であることをお伝えください。
妊娠を希望しています
妊娠を希望される方は対象外です。ご希望の時期がある場合は、早めに診察でお伝えください。いつまで使っていつやめるかを先に決めておくほうが、あとから困りません。
ご検討の前に必ずお読みください
- マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
- 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
- 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
- 本ページで紹介した月経・排卵に関する報告はセマグルチド等GLP-1系の薬を用いた研究です。当院は月経不順・不妊の治療を行うものではなく、オンライン診療では内診・超音波・血液検査ができません。婦人科的な評価は産婦人科でお受けください。
- 妊娠中・妊娠を希望される方・授乳中の方は対象外です。使用中は避妊を継続してください。
- 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆のう関連症状などの重大な副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
- 症状の出方には個人差があり、結果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
- 諸外国では、体重管理を目的とした同成分(チルゼパチド)の医薬品が承認されています。
- オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。
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言いにくいことこそ、お聞かせください
月経のことは相談しにくい内容ですが、先に伺えていれば進め方を変えられます。妊娠のご予定がある場合も、早めにお知らせいただくほど選択肢が残ります。無理な勧誘はいたしません。
参考文献
- マンジャロ皮下注アテオス 添付文書(日本イーライリリー株式会社)/PMDA くすり情報(マンジャロ皮下注アテオス 全6規格・一般の方向け)
- MOUNJARO (tirzepatide) injection — 米国添付文書「8.1 Pregnancy」「8.3 Females and Males of Reproductive Potential」(DailyMed, U.S. National Library of Medicine)
- Carmina E, Longo RA. Evidence That Semaglutide Represents an Important Tool for Treatment of Irregular Menses and Chronic Anovulation. J Clin Med. 2026;15(13):5165.(PubMed)
- Becker AS, Castilhos JP, Shugair SAS, et al. GLP-1 Receptor Agonists and Fertility: What Is Known So Far? JBRA Assist Reprod. 2026(オンライン先行公開).(PubMed)

