マンジャロとピルの併用|4週間の注意点を医師監修で解説

マンジャロとピルを併用するときの注意点を解説する記事のアイキャッチ

この記事の要点(30秒でわかる)

  • 飲むタイプのピル(経口避妊薬)を使っている方は、注意が必要です
  • 米国の添付文書では、飲まないタイプの避妊法に切り替えるか、コンドームなどを併用するよう案内されています
  • 期間は開始から4週間。そして増量するたびに、そのつど4週間です
  • 貼付・注射・子宮内システムなど飲まないタイプのホルモン避妊は、影響を受けないとされています
  • 理由は胃の内容物が送り出されるのが遅くなり、飲み薬の吸収が変わりうるためです

見落とされやすく、しかし知らないままでいると困る可能性がある項目です。ピルを飲んでいる方は、始める前に必ずお読みください。

結論:4週間は、別の避妊法も併用してください

数えはじめが2つある点が分かりにくいので、図にしました。

マンジャロ使用中に飲むタイプのピルを使う場合、マンジャロを開始した日から4週間と、用量を増やした日から4週間、追加の避妊を併用する。増量のたびに繰り返す。マンジャロには胃の内容物が送り出されるのを遅くする働きがあるため、一緒に飲んだ薬の吸収が変わりうるとされている。
数えはじめは「開始した日」と「増やした日」の2つ

米国の添付文書では、経口ホルモン避妊薬を使用している方に対し、飲まないタイプの避妊法へ切り替えるか、バリア法(コンドームなど)を併用するよう案内されています。

対象となる期間は「開始してから4週間」、および「増量してから4週間」です。

ピルの服用をやめる必要はありません。その期間だけ、もう一つ足していただくという考え方です。

※参考:MOUNJARO 米国添付文書(DailyMed, U.S. National Library of Medicine)

なぜ影響しうるのか

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)には、胃の内容物が腸へ送り出されるのを遅くする働きがあります。食欲が落ちたり、満腹感が続いたりするのは、この作用が関わっています。

同じ理由で、一緒に飲んだ薬の吸収のされ方も変わりうると考えられています。飲むタイプのピルもその一つで、いつもどおり飲んでいても、体内での効き方が変わる可能性があるということです。

この作用は体が慣れてくると弱まるとされています。「4週間」という区切りは、そのための期間です。

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見落とされやすいのは「増量のたび」

ここがいちばん忘れられやすい点です。最初の4週間だけではありません。

併用が必要になるタイミング
タイミング期間
マンジャロを開始したときそこから4週間
2.5mg → 5mg に増量したときそこから4週間
5mg → 7.5mg に増量したときそこから4週間
以降、増量のたびそのつど4週間

増量を重ねる時期は、実質的にほぼ継続して併用が必要になる、という理解でよいと思います。用量が安定するまでは続けておくのが、いちばん間違いが起きにくい方法です。

※参考:MOUNJARO 米国添付文書(DailyMed, U.S. National Library of Medicine)

影響を受けないとされる避妊法

飲み込まない方法であれば、胃の通過の影響を受けません。米国の添付文書でも、経口以外のホルモン避妊法は影響を受けないとされています

方法影響
飲むタイプのピル注意が必要
貼るタイプ(パッチ)影響を受けないとされる
注射によるもの影響を受けないとされる
子宮内避妊具・子宮内システム影響を受けないとされる
コンドームなどのバリア法影響を受けない

どの方法に切り替えるか、あるいは併用でしのぐかは、今お使いのピルの目的(避妊・月経困難症・PMSなど)によっても変わります。処方を受けている医療機関にご相談ください。

吐いてしまったときは、別の注意が必要です

マンジャロでは吐き気や嘔吐が起こることがあります。ピルを飲んだあと短時間で吐いてしまった場合は、吸収されていない可能性があります。

この場合の対応は、お使いのピルの種類によって異なります。自己判断せず、ピルの説明書を確認するか、処方元にご確認ください。

妊娠を考えている方・妊娠中の方へ

  • 妊娠中の方は使用できません。動物実験で胎児への影響が示されており、ヒトでのデータは十分ではありません
  • 妊娠を希望されている方も対象外です。ご希望の時期がある場合は、診察の際に必ずお伝えください
  • 使用中に妊娠が判明した、または可能性がある場合は、速やかに中止してご連絡ください
  • 授乳中の方についても、安全性は確立していません

体重が減ることで、これまでより妊娠しやすい状態になる場合もあります。避妊を続ける前提でご検討ください。

当院でお答えできること・できないこと

当院はオンライン診療で、ピルの処方は行っていません。お答えできるのは、マンジャロ側の注意点までです。

避妊法の変更そのものは、ピルを処方している医療機関、または産婦人科でご相談ください。「マンジャロという薬を始める(増量する)ので、4週間は別の避妊法の併用が必要と案内されている」とお伝えいただければ話が早いと思います。

ピルに限らず、飲み薬を使用中の方はすべて診察でお申し出ください。吸収に影響しうる薬は他にもあります。

よくあるご質問

ピルを飲みながらマンジャロを使えますか?

併用そのものが禁止されているわけではありません。ただし開始から4週間、および増量のたびに4週間は、別の避妊法を併用するよう案内されています。まずは診察でピルの使用をお伝えください。

ピルをやめたほうがいいですか?

やめる必要はありません。避妊以外の目的で服用されている場合もありますので、自己判断で中止しないでください。判断は処方元の医療機関にご相談ください。

4週間を過ぎれば併用はやめて大丈夫ですか?

同じ用量を続けている限りは、案内されている期間は4週間です。ただし次に増量すると、またそこから4週間必要になります。用量が安定するまでは続けておくほうが確実です。

ミニピルでも同じですか?

飲むタイプであれば同じ考え方になります。種類ごとの詳細は処方元にご確認ください。当院ではピルの種類に応じた個別の判断はいたしかねます。

生理周期が変わった気がします

体重が大きく変わると、周期に変化が出ることがあります。ただし他の原因も考えられますので、続く場合は産婦人科をご受診ください。当院では内診等ができないため、直接の評価はできません。

診察でどう伝えればよいですか?

「ピルを飲んでいます」とだけお伝えいただければ十分です。可能であればお薬の名前も。そのうえで、必要なご案内をいたします。言いにくい内容ですが、安全に関わりますので必ずお知らせください。

ご検討の前に必ずお読みください

  • マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
  • 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
  • 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
  • 本ページの避妊に関する記載は米国の添付文書にもとづくものです。当院ではピルの処方・変更は行っておりません。避妊法の判断は、処方元の医療機関または産婦人科にご相談ください。避妊の確実性を保証するものではありません。
  • 妊娠中・妊娠を希望される方・授乳中の方は対象外です。
  • 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆のう関連症状などの重大な副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
  • 効果・副作用の出方には個人差があり、結果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
  • 諸外国では、体重管理を目的とした同成分(チルゼパチド)の医薬品が承認されています。
  • オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。

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服用中のお薬は、遠慮なくお知らせください

ピルに限らず、今お使いの薬をお伝えいただくことで、必要な注意をあらかじめご案内できます。お伝えいただいたからといって、処方をお断りするとは限りません。まずはご相談ください。無理な勧誘はいたしません。

参考文献

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