この記事の要点(30秒でわかる)
- 2.5mgは体を慣らすための導入用量です。体重の変化を目的とした用量ではありません
- 臨床試験で評価されたのは10mgと15mg。2.5mgのデータではありません
- この段階で変化が乏しくても、珍しいことではありません
- 少ない量から始めるのは、吐き気などの副作用をできるだけ抑えるためです
- 2.5mgのまま続けるのは本来の使い方ではありません。経過を見て医師が調整します
「2.5mgを1か月使ったけれど、あまり変わらない」——開始直後にいただくご相談で、最も多いもののひとつです。結論から申し上げると、その段階で大きな変化がないのは想定の範囲内です。理由をご説明します。
2.5mgは「効果を出す量」ではありません
用量がどう進むかを図にしました。

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2.5mgから始めて段階的に用量を上げていく設計になっています。
この最初の2.5mgは、体を薬に慣らすための導入用量という位置づけです。ここで大きな変化を出すことを目的とした量ではありません。
| 用量 | 位置づけ |
|---|---|
| 2.5mg | 導入・開始用量(体を慣らす期間) |
| 5mg | 調整用量 |
| 7.5mg | 調整用量 |
| 10mg以上 | 維持・調整用量 |
用量は医師が診察のうえで判断します。ご希望どおりに進められない場合もあります。
臨床試験で評価されたのは10mgと15mgです
日本人を含むアジアの参加者を対象としたSURMOUNT-J試験(Lancet Diabetes & Endocrinology 誌 2025年)では、72週間にわたり10mgと15mgが評価されました。
| グループ | プラセボとの差 | 5%以上減った方 |
|---|---|---|
| プラセボ | — | 20% |
| チルゼパチド 10mg | −16.1% | 94% |
| チルゼパチド 15mg | −21.1% | 96% |
よく引用されるこうした数値は、2.5mgの結果ではありません。導入用量の時点で同じような変化を期待すると、実態と合わなくなります。
また、この試験は72週という長い期間をかけたものです。開始から1か月の時点は、まだ経過の入口にあたります。
※参考:Jastreboff AM, et al. SURMOUNT-1. N Engl J Med. 2022;387(3):205-216.
なぜ少ない量から始めるのか
いきなり多い用量から始めると、吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状が強く出やすくなります。
症状がつらくて続けられなくなれば、結果的に何も得られません。少ない量から慣らしていくのは、途中で脱落せずに続けるための設計です。
自己判断で用量を増やすことはできません。
マンジャロは用量ごとに製剤が分かれており、指示と異なる使い方は安全性が確認されていません。また、2本まとめて使う、間隔を詰めるといった使い方も危険です。
2.5mgの段階で見ておきたいこと
体重の数字ではなく、次の点を確認してください。次の用量に進めるかの判断材料になります。
- 副作用の出方/吐き気・便秘・下痢はどの程度か。日常生活に支障はないか
- 食欲の変化/食事の途中で満腹になる、間食が減った、などの感覚はあるか
- 注射の操作に慣れたか/曜日を決めて続けられているか
- 食事の内容/量が減ったぶん、たんぱく質は摂れているか
とくに副作用が軽く済んでいるなら、それは良い経過です。次の段階に進みやすい状態だからです。
2.5mgのまま続けたい場合
費用を抑えたい、副作用が怖い、といった理由で「2.5mgのまま続けたい」というご希望をいただくことがあります。
お気持ちは分かりますが、2.5mgは本来、そこに留まることを想定した用量ではありません。導入用量のまま長く続けても、期待した変化につながらない可能性があります。
一方で、副作用が強く出ている場合には、あえて用量を据え置くという判断もあります。どちらが適切かは、経過を見て医師が判断します。ご希望はお伝えいただいて構いません。
よくあるご質問
2.5mgを1か月使いましたが、体重が変わりません。失敗ですか?
失敗ではありません。2.5mgは体を慣らす段階で、体重の変化を目的とした用量ではないためです。副作用が軽く済んでいるなら、次の用量に進みやすい良い経過といえます。診察で経過をお伝えください。
いつ増量できますか?
おおむね4週間ごとを目安に、体調と副作用の出方を確認しながら医師が判断します。副作用が強い場合は、据え置くこともあります。自己判断での増量はできません。
2.5mgでも食欲は落ちますか?
感じ方には大きな個人差があります。この段階で明らかに変わったという方もいれば、あまり実感しないという方もいます。実感がなくても異常ではありません。
早く結果を出したいので、最初から高い用量で始められませんか?
できません。段階的に増やすのは、副作用をできるだけ抑えて続けられるようにするための設計です。いきなり多い用量から始めると、つらくて続けられなくなるおそれがあります。
2.5mgのままずっと続けてもいいですか?
導入用量のまま長く続けることは、本来の使い方ではありません。ただし副作用の状況によっては据え置くこともあります。ご希望とあわせて、診察でご相談ください。
副作用がつらいのですが、増量しても大丈夫でしょうか?
つらい状態で増やすと、さらに強く出る可能性があります。無理に進めず、まず今の症状をお伝えください。据え置く、間隔をあけるなどの選択肢があります。
ご検討の前に必ずお読みください
- マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
- 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
- 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
- 用法・用量は必ず医師の指示に従ってください。自己判断での増量・回数の変更はできません。
- 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆のう関連症状などの重大な副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
- 効果・副作用の出方には個人差があり、結果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
- 本記事で紹介した臨床試験は対象者の条件が限られており、結果がそのまますべての方に当てはまるものではありません。
- 諸外国では、体重管理を目的とした同成分(チルゼパチド)の医薬品が承認されています。
- オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。
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今の段階でいいのか、一緒に確認しましょう
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参考文献
- Kadowaki T, Isendahl J, Khalid U, et al. Efficacy and safety of once-weekly tirzepatide in Japanese patients with obesity disease (SURMOUNT-J). Lancet Diabetes Endocrinol. 2025;13(5):384-396.(PubMed)
- Jastreboff AM, Aronne LJ, Ahmad NN, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity (SURMOUNT-1). N Engl J Med. 2022;387(3):205-216.(PubMed)
- マンジャロ皮下注アテオス 添付文書(日本イーライリリー株式会社)/PMDA くすり情報(マンジャロ皮下注アテオス 全6規格・一般の方向け)

