この記事の要点(30秒でわかる)
- いちばんの違いは「週1回の注射」か「毎日の飲み薬」かです
- 成分も違います。マンジャロはチルゼパチド、リベルサスはセマグルチド
- リベルサスは起床時に空腹で服用し、その後30分は飲食できません。ここが続けやすさを分けます
- どちらも国内では2型糖尿病の治療薬として承認されており、体重管理目的は適応外使用・自由診療です
- 「注射が怖いから飲み薬」と決める前に、服用ルールを守れるかを確認してください
「注射は抵抗があるので、飲み薬のリベルサスにしたい」——よくいただくご相談です。ただ、この2つは投与の形が違うだけでなく、成分も、使うときのルールも異なります。このページでは違いを整理し、どちらが続けやすいかを考える材料をお示しします。
まず結論|比べる点は3つです
| 項目 | マンジャロ | リベルサス |
|---|---|---|
| 一般名 | チルゼパチド | セマグルチド |
| 分類 | GIP/GLP-1受容体作動薬 | GLP-1受容体作動薬 |
| 作用する受容体 | GIP+GLP-1(2つ) | GLP-1(1つ) |
| 形 | 皮下注射 | 錠剤(飲み薬) |
| 回数 | 週1回 | 1日1回 |
| 使うタイミング | 時間帯の決まりなし | 起床時・空腹時 |
| 前後の飲食 | 制限なし | 服用後30分は不可 |
| 保管 | 冷蔵(2〜8℃) | 常温 |
| 国内での承認 | 2型糖尿病 | 2型糖尿病 |
| 体重管理目的 | 適応外使用・自由診療 | 適応外使用・自由診療 |
※取扱いのある薬剤は医療機関により異なります。診察時にご確認ください。
違い1|成分と作用のしくみ
「注射か飲み薬か」の違いに目が行きがちですが、そもそも中身の成分が違います。
- マンジャロ(チルゼパチド)/GIPとGLP-1という2つの消化管ホルモンの受容体に作用します
- リベルサス(セマグルチド)/GLP-1受容体に作用します
GLP-1は、血糖が高いときにインスリンの分泌を促す、胃の動きをゆっくりにする、満腹感に関わる——といった働きが知られているホルモンです。マンジャロはこれに加えてGIPの受容体にも作用します。
なお、リベルサスと同じセマグルチドを成分とする注射薬(オゼンピック等)もあります。「セマグルチド=飲み薬」ではありません。詳しくはマンジャロとオゼンピックの違いをご覧ください。
違い2|使うときのルール ← ここが続けやすさを分けます
リベルサスの服用ルール
- 起床してすぐ、空腹の状態で服用します
- 水はコップ半分程度(約120mL以下)まで。それ以上飲むと吸収に影響します
- 服用後30分は、飲食も他のお薬の服用もできません
- これを毎日続ける必要があります
リベルサスは、そのままでは体に吸収されにくい成分を、吸収を助ける工夫とあわせて錠剤にしたお薬です。そのため飲み方の条件が細かく決まっており、守らないと十分に吸収されません。「飲むだけだから簡単」とは言い切れない部分です。
マンジャロの使い方
- 週1回、専用のデバイスで自己注射します
- 時間帯の決まりはなく、食事のタイミングとも関係ありません
- 針の取り付けが不要な使い切りタイプです
- お薬は冷蔵保管が必要です
使うのが週に1回で済む代わりに、注射の操作と冷蔵保管が必要になります。使い方はマンジャロの打ち方で詳しく説明しています。
違い3|生活に合うかどうか
| こんな方 | 向いている可能性 | 理由 |
|---|---|---|
| 朝が慌ただしい | マンジャロ | 起床後30分の飲食制限が負担になりやすい |
| 朝食を摂らない習慣 | リベルサス | 空腹での服用に無理がない |
| 毎日の服用を忘れがち | マンジャロ | 週1回で済む |
| 注射に強い抵抗がある | リベルサス | 錠剤で完結する |
| 出張・旅行が多い | リベルサス | 常温保管で持ち運びやすい |
| 朝の薬を他にも飲んでいる | マンジャロ | 服用の間隔を空ける必要がない |
この表は目安です。実際には既往歴や体調も踏まえて医師が判断します。
共通する注意点
- 吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状が起こることがあります(開始時・増量時に多い傾向)
- まれに急性膵炎、胆のう関連の症状など重大な副作用の報告があります
- 妊娠中・授乳中・妊娠を計画している方は使用できません
- いずれも医師の処方が必要な医療用医薬品です。個人輸入サイト等での自己購入は、偽造品や健康被害のリスクがあり危険です
- 薬だけで体重が管理できるものではなく、食事・運動の見直しとの併用が前提です
- 効果の感じ方には大きな個人差があります
よくあるご質問
飲み薬のほうが体への負担は少ないですか?
形が違うだけで、どちらも全身に作用するお薬です。「飲み薬だから軽い」ということはありません。消化器症状などの副作用は、どちらでも起こりえます。
服用後30分を待てなかったら、どうなりますか?
吸収が十分でなくなる可能性があります。守れない日が続くようであれば、生活に合っていないサインかもしれません。無理に続けるより、医師にご相談ください。
途中で切り替えることはできますか?
医師の判断で見直すことはあります。ただし成分も用量の刻みも異なるため、自己判断での切り替えはできません。必ず診察のうえでご相談ください。
どちらも保険は使えますか?
体重管理を目的とした使用は、どちらも承認された効能・効果ではない適応外使用にあたるため、公的医療保険は適用されません。自由診療となり全額自己負担です。
当院ではどちらも扱っていますか?
取扱いのある薬剤は診察時にご案内します。ご希望をお伺いしたうえで、体質・既往歴・生活スタイルに合うかを医師が判断します。ご希望に沿えない場合もあります。
ご検討の前に必ずお読みください
- マンジャロ(チルゼパチド)・リベルサス(セマグルチド)は、国内ではいずれも2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
- 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
- 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
- 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆のう関連症状などの重大な副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
- 効果・副作用の出方には個人差があり、結果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
- 諸外国では、体重管理を目的とした同成分の医薬品が承認されています。
- オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。
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どちらが続けやすいか、一緒に考えましょう
薬の違いよりも、ご自身の生活に無理なく組み込めるかが大切です。朝の過ごし方や、忘れずに続けられそうかを含めてご相談ください。オンライン診療なら、移動の負担なく医師にご相談いただけます。無理な勧誘はいたしません。
参考文献
- マンジャロ皮下注アテオス 添付文書(日本イーライリリー株式会社)/PMDA 医療用医薬品 情報検索
- リベルサス錠 添付文書(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社)/PMDA 医療用医薬品 情報検索
- Kadowaki T, Isendahl J, Khalid U, et al. Efficacy and safety of once-weekly tirzepatide in Japanese patients with obesity disease (SURMOUNT-J). Lancet Diabetes Endocrinol. 2025;13(5):384-396.(PubMed)

