マンジャロ(一般名:チルゼパチド)で体重が変化してきた方から、「やめたら元に戻ってしまうのでは」というご相談をよくいただきます。この記事では、実際の臨床試験で報告されているデータをもとに、中止後に体重がどう変化するのか、そしてやめ方をどう考えればよいのかを整理します。
この記事の要点(30秒でわかる)
- 中止後に体重が戻りやすい傾向は、国際的な臨床試験でも報告されています
- その試験では、中止した群は52週間で14.0%増加した一方、継続した群はさらに5.5%減少しました
- ただし中止した群も、試験開始時と比べれば9.9%少ない状態を保っていました
- 体重が戻るのは意志の問題ではなく、体の生理的な反応と考えられています
- やめる時期・やめ方は医師にご相談ください。自己判断での急な中止はおすすめできません
マンジャロをやめると、体重はどうなるのか
この疑問に正面から答えた臨床試験があります。医学誌『JAMA』に2024年1月に掲載されたSURMOUNT-4という試験です。まず、この試験がどういうものかを整理します。
試験の内容
肥満(BMI30以上、または27以上で体重に関連する健康上の問題がある方)を対象とした、670名が参加した試験です。平均年齢は48歳、女性が71%でした。糖尿病のある方は対象から除かれています。
参加者はまず全員が36週間チルゼパチドを使用し、その後、そのまま継続するグループと中止するグループに分かれて、さらに52週間経過をみました。使用量は10mgまたは15mgで、食事・運動の指導も並行して行われています。
結果
| 36週時点(全員が使用) | その後の52週間 | 88週時点の合計 | |
|---|---|---|---|
| 継続したグループ | −20.9% | さらに −5.5% | −25.3% |
| 中止したグループ | −20.9% | +14.0% | −9.9% |
この数字から読み取れることは、大きく2つあります。
ひとつは、中止すると体重は戻る方向に動きやすいということ。中止したグループは52週間で14.0%増加しました。減った分がそのまま維持されるわけではない、というのが試験で示された結果です。
もうひとつは、すべてが元通りになるわけではないということ。中止したグループも、88週の時点で試験開始時より9.9%少ない状態を保っていました。「やめたら全部無駄になる」というわけではありません。
ただし、これは海外を中心とした肥満症治療の臨床試験の結果です。日本国内でマンジャロが承認されているのは2型糖尿病に対してであり、体重管理を目的とした使用は適応外使用にあたります。また、効果の程度や戻り方には大きな個人差があり、この数字がそのままご自身に当てはまるものではありません。
なぜ、やめると戻りやすいのか
「やめたら戻った」と聞くと、意志が弱かったからだと考えてしまう方が少なくありません。しかし、体重が戻りやすいことには、いくつかの生理的な理由が指摘されています。
食欲への作用がなくなる
チルゼパチドはGIPとGLP-1という2つの受容体に作用し、胃の動きや食欲に関わる働きが報告されています。使用をやめれば、その作用も失われます。使用中に感じていた「あまり食べたいと思わない」状態が続かなくなるのは、自然なことです。
体重が減ると、体は元に戻そうとする
体重が減ると消費エネルギーも下がり、食欲に関わるホルモンのバランスも変化することが知られています。これは体重が減ったときに起こる体の適応反応で、誰にでも起こり得るものです。ダイエット全般でリバウンドが起こりやすいのは、この仕組みが関わっていると考えられています。
つまり、中止後に体重が戻るのは薬をやめれば起こりうる体の反応であって、その方の努力不足を意味するものではありません。だからこそ、やめ方や、やめた後の過ごし方をあらかじめ考えておくことに意味があります。
どれくらいの期間、続けるものなのか
「何ヶ月で終わり」という決まった期間はありません。体重の変化、体調、副作用の有無、生活習慣がどこまで身についているかなどを踏まえて、医師が経過を確認しながら判断します。
考え方としては、次の2つの時期を分けて捉えると整理しやすくなります。
- 減量期… 体重を減らしていく時期。用量を調整しながら経過をみます
- 維持期… 目標に近づいた後、その状態をどう保つかを考える時期。生活習慣の定着がより重要になります
減量期だけで終わりにするか、維持期まで含めて計画するかによって、必要な期間は変わります。ご自身の目標と体調を医師に伝えたうえで、一緒に考えていくことをおすすめします。
やめ方で気をつけたいこと
自己判断で急にやめない
体調や体重の変化を確認しないまま中止すると、その後の変化に気づくのが遅れることがあります。中止を考えたときは、まず医師にご相談ください。用量を段階的に調整する方法を含めて、状況に応じた進め方を検討します。
使用している間に、生活習慣を整えておく
食欲が落ち着いている時期は、食習慣を見直しやすいタイミングでもあります。食事の内容や量、運動の習慣、睡眠のリズムなどをこの時期に整えておくことが、中止後の変化に備えることにつながると考えられています。
やめた後も、体重を記録しておく
中止後は、体重の変化に自分で気づけるようにしておくことが大切です。少し戻り始めた段階で対応できれば、選べる選択肢も多くなります。気になる変化があれば、早めにご相談ください。
よくあるご質問
やめたら必ずリバウンドしますか?
必ずそうなると決まっているわけではありません。臨床試験では中止したグループの体重が平均して増加したという結果が示されていますが、あくまで平均値であり、変化には大きな個人差があります。生活習慣がどの程度定着しているかによっても異なります。
どのくらいの期間で戻るのですか?
SURMOUNT-4試験では、中止から52週間(約1年)をかけて平均14.0%の増加が観察されました。急激に戻るというよりは、時間をかけて変化していく形です。ただし、この経過も個人差があります。
一度やめて、また再開することはできますか?
再開をご希望の場合も、あらためて医師の診察が必要です。中止していた期間や体調によっては、以前と同じ用量から再開しない場合もあります。診察の結果、処方できないこともあります。
目標体重になれば、自然にやめられますか?
目標に到達した後をどうするかは、あらかじめ医師と相談しておくことをおすすめします。到達した時点で終わりにするのか、維持を優先して段階的に調整していくのかで、進め方が変わります。
副作用が理由でやめたい場合はどうすればよいですか?
我慢せずに、すぐご相談ください。吐き気・便秘・下痢などの消化器症状が報告されており、用量の調整で対応できる場合もあります。体調に異変を感じた場合は、自己判断せず医師にお伝えください。
ご検討の前に必ずお読みください
- マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
- 体重管理目的の処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
- 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
- 吐き気・便秘・下痢などの消化器症状等の副作用のリスクがあります。体調に異変を感じた場合は速やかにご相談ください。
- 効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。食事・運動などの生活習慣との併用が前提です。
- 本記事で紹介した臨床試験は海外を中心に実施されたもので、対象者の条件も限られています。結果がそのまますべての方に当てはまるものではありません。
- 諸外国では、体重管理を目的とした同成分(チルゼパチド)の医薬品が承認されています。
- オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合は処方できないことがあります。
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やめどきも、続け方も、医師にご相談ください
「いつまで続けるのか」「どうやめるのか」は、体重の変化や体調、生活習慣の状況によって一人ひとり異なります。オンライン診療なら、移動の負担なく医師に相談できます。無理な勧誘はいたしません。選択肢の一つとしてご検討ください。

