この記事の要点(30秒でわかる)
- 大きな研究では、約1年4か月かけて、体重のおよそ15〜21%が減ったと報告されています
- 研究に参加した人は平均で約105kg。キロに直すと約16〜22kg減った計算になります
- ただし参加したのはかなり体重が重い方たちです。同じ割合で減るとは限りません
- 薬が入っていない注射をした人でも、3%(約3kg)減っています。食事と運動を一緒に見直したからです
- お腹の調子をくずして、途中でやめた人もいます(100人のうち4〜7人ほど)
「マンジャロって、結局どれくらい痩せるの?」
いちばん知りたいところだと思います。ここではむずかしい言葉を使わずに、実際に発表された研究の数字をご紹介します。良い面だけでなく、そのまま当てはまらない理由も書きます。
まず答え|約1年4か月で、体重の15〜21%が減りました
世界の2,539人が参加した研究の結果です。マンジャロと同じ成分の薬を、72週間(約1年4か月)使い続けたときの体重の変化です。
参加した人の体重は、はじめは平均で約105kgでした。この体重を元に、キロに直してみます。
| 使った量 | 減った割合 | キロに直すと |
|---|---|---|
| 5mg | 15.0% | 約16kg |
| 10mg | 19.5% | 約20kg |
| 15mg | 20.9% | 約22kg |
| 薬が入っていない注射 | 3.1% | 約3kg |
「薬が入っていない注射」って何ですか
研究では、参加した人を2つのグループに分けます。
- 本物の薬を打つグループ
- 見た目はそっくりだけれど、薬が入っていない注射を打つグループ(プラセボといいます)
どちらのグループも、本人にも、打つ人にも、どちらなのか知らされません。こうしないと「薬を打った」という気持ちだけで結果が変わってしまうからです。
ここで大事なのは、薬が入っていない注射のグループも、3.1%(約3kg)減っていることです。
この研究では、どちらのグループも食事と運動を一緒に見直しています。薬なしでも3kg減ったのは、そのためです。つまりマンジャロは「食事と運動に上乗せする薬」であって、これだけで完結する薬ではありません。
日本人だけで調べた研究もあります
日本人225人が参加した研究では、薬なしのグループと比べて、体重の減り方に次の差が出ました。同じく約1年4か月の結果です。
| 使った量 | 薬なしより多く減った分 | 体重が5%以上減った人 |
|---|---|---|
| 10mg | 16.1% | 100人中94人 |
| 15mg | 21.1% | 100人中96人 |
| 薬が入っていない注射 | — | 100人中20人 |
参加したのは平均50.8歳、男性が6割の方たちでした。「若い女性が中心の研究」ではありません。
自分の体重だと、何キロになりますか
研究の数字は「体重の何%」で発表されます。同じ15%でも、もとの体重が違えばキロ数は変わるからです。
下の表は、「もし研究と同じ割合で減ったとしたら」という、ただの計算です。
| 今の体重 | 5%減ると | 15%減ると | 20%減ると |
|---|---|---|---|
| 60kg | 約3kg | 約9kg | 約12kg |
| 70kg | 約4kg | 約10kg | 約14kg |
| 80kg | 約4kg | 約12kg | 約16kg |
| 90kg | 約4kg | 約14kg | 約18kg |
| 100kg | 約5kg | 約15kg | 約20kg |
この表は「こうなります」という意味ではありません。研究に参加したのは平均105kgの方たちです。もとの体重が軽い方ほど、減る割合は小さくなりやすいことが知られています。60kgの方が20%減るという意味ではありませんので、目安としてご覧ください。
この数字をそのまま受け取れない理由
① 参加したのは、かなり体重が重い方たちです
世界の研究では平均105kg、日本の研究でも治療が必要な「肥満症」と診断された方が対象でした。「あと5kg落としたい」という方を集めた研究ではありません。
② 1年4か月かけた結果です
しかも最初の5か月ほどは、量を少しずつ増やしていく期間です。「3か月で20kg」という話ではありません。
③ 食事と運動を一緒に見直しています
薬だけを使った結果ではありません。何度も書きますが、薬なしのグループでも3kg減っています。
④ 途中でやめた人もいます
世界の研究では、体調をくずして途中でやめた方が100人あたり4〜7人いました(薬なしのグループでは約3人)。いちばん多かったのは吐き気や便秘などのお腹の症状で、量を増やしていく時期に起きやすいことが分かっています。
⑤ これは「肥満症の治療」として行われた研究です
マンジャロは日本では糖尿病のお薬として認められています。体重を減らす目的で使うのは本来の使い方とは違う使い方(適応外使用)で、保険は使えません。研究の数字が、当院での結果を約束するものではありません。
まずは「5%」を目安にしてください
いきなり20%を目指すと、うまくいっていても「効いていない」と感じてしまいます。
医学の世界では、体重の5%が減るだけでも、血圧・血糖・コレステロールが良くなることが期待できるとされています。70kgの方なら約4kgです。まずはここを目標にするのが現実的です。
「減らなくなった」と感じたら
体重は毎日きれいに減るものではありません。水分の量、お通じ、女性なら生理の周期でも上下します。
数日ではなく、2週間〜1か月の平均で見てください。それでも変わらないときは、確認できることがいくつかあります。自分の判断で量を増やさず、まずはご相談ください。
よくあるご質問
マンジャロで何キロ痩せますか?
研究では「体重の何%減ったか」で発表されています。約1年4か月で15〜21%減ったという報告があり、参加した方の体重が平均約105kgだったので、キロに直すと約16〜22kgになります。もとの体重によって変わりますし、減り方には大きな個人差があります。
3か月でどのくらい減りますか?
発表されている数字は約1年4か月後のものです。最初の5か月ほどは量を少しずつ増やしていく期間なので、はじめのうちは変化がゆるやかなことがあります。短い期間で目標を決めるのはおすすめしていません。
今60kgですが、20%減って48kgになりますか?
そうなるとは限りません。研究に参加したのは平均105kgの方たちで、もとの体重が軽いほど減る割合は小さくなりやすいことが知られています。記事の表は「同じ割合だったら」という計算であって、約束ではありません。
薬なしのグループも減っているのはなぜですか?
この研究では、どちらのグループも食事と運動を見直しているためです。その分だけで3%(約3kg)減りました。マンジャロは、生活の見直しに上乗せして使う薬です。
量を増やせば、その分もっと減りますか?
研究では量が多いほど減り方は大きい傾向でしたが、体調をくずして途中でやめた人の割合も増えています。量は診察のうえ医師が決めます。自分の判断で増やすことはできません。
やめたら戻りますか?
やめたあとに体重が戻る可能性が報告されています。詳しくは「マンジャロをやめたらどうなる?」をご覧ください。どのくらいの期間続けるかも含めて、始める前にお考えください。
ご検討の前に必ずお読みください
- マンジャロ(チルゼパチド)は、国内では2型糖尿病の治療薬として承認されている医薬品です。体重管理を目的とした使用は、承認された効能・効果ではない適応外使用にあたります。
- 本ページで紹介した研究は、肥満症の治療として行われたものです。同じ成分(チルゼパチド)を使った肥満症の薬「ゼップバウンド」が国内で承認されており、条件を満たす場合は保険が使えます。
- 体重管理目的でのマンジャロの処方は自由診療(保険適用外)で、全額自己負担となります。
- 紹介した数字は研究の結果であり、当院での結果や、お一人おひとりの結果を約束するものではありません。減り方には大きな個人差があります。
- 当院では国内正規流通品を、提携薬局を通じてお届けします。
- 吐き気・便秘・下痢などのお腹の症状のほか、まれに急性膵炎・胆のうの病気などの重い副作用が起きることがあります。体調に変化を感じた場合はすぐにご相談ください。
- 食事・運動などの生活習慣の見直しと一緒に行うことが前提です。
- オンライン診療の結果、医師が適切でないと判断した場合はお薬をお出しできないことがあります。
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目標の立て方から、ご相談ください
数字を見て「思ったより少ない」と感じた方も、「そんなに減るのか」と感じた方もいらっしゃると思います。どちらの受け止め方も間違いではありません。大切なのは、ご自身の体重と体調に合った、続けられる目標を決めることです。診察では、そこからご一緒に考えます。無理な勧誘はいたしません。
参考文献
- Jastreboff AM, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. N Engl J Med. 2022;387(3):205-216.(PubMed)
- Kadowaki T, et al. Efficacy and safety of once-weekly tirzepatide in Japanese patients with obesity disease (SURMOUNT-J): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025;13(5):384-396.(PubMed)
- マンジャロ皮下注アテオス 添付文書(日本イーライリリー株式会社)/PMDA くすり情報(マンジャロ皮下注アテオス 全6規格・一般の方向け)

